映画『華麗なるギャツビー』予告編1【HD】 2013年6月14日公開
華麗なるギャツビー(原題:The Great Gatsuby)は2013年にアメリカで公開された恋愛映画。20世紀のアメリカ文学を代表する小説家の一人として名を残す、スコット・フィッツジェラルドの1925年の小説「グレイト・ギャツビー」を映画化。「ムーラン」などを手がけたバズ・ラーマンが監督・脚本を務めている。
この物語の登場人物
*ニック・キャラウェイ (トビー・マグワイア)
駆け出しの証券マン。ギャツビーの家の隣に住んでいる。ニックの視点で物語は進む。語り部。
*ジェイ・ギャツビー (レオナルド・ディカプリオ)
謎の富豪。新興のお金持ちが住むイーストエッグに大豪邸を構える。
*トム・ブキャナン (ジョエル・エドガートン)
鉄道王の御曹司。ニックとは大学の同期。古くからのお金持ちが多くいる、ウェストエッグに大豪邸を構える。
*デイジー・ブキャナン (キャリー・マリガン)
絶世の美女。トムの妻。ニックとは遠い親戚。
*ジョーダン・ベイカー (エリザベス・デビッキ)
女性プロゴルファー。デイジーの親友。
*マートル・ウィルソン (アイラ・フィッシャー)
トムの浮気相手。灰の谷に住む。
*ジョージ・ウィルソン (ジェイソン・クラーク)
マートルの妻。
あらすじ(ネタバレ有)
1922年NY。ウォール街は空前の好景気。新米証券マンのニックは成金たちが住む「イーストエッグ」に家を借りていた。イエール大学の同期だったトムは鉄道王の御曹司。古くからのお金持ちであるトムはイーストエッグの対岸にある「ウエストエッグ」に住んでいた。ある日ニックはトムの家のパーティーに招かれる。トムの妻は絶世の美女デイジー。ニックとは遠い親戚に当たる。デイジーの親友の女性プロゴルファーのベイカーもこれまた美人。ニックがイーストエッグに住んでいると知ったデイジーは「ギャツビーは知っている?」ときく。ギャツビーは週末になると豪華なパーティーを繰り返していることで有名だった。しかしその時デイジーがギャツビーと言う名に異常な反応を見せる。その後トム、ニック、デイジー、ベイカーの4人で晩餐を始めるが、食事中トムに電話がかかってくる。トムの浮気相手からである。浮気に気づいてるデイジーはその電話を盗み聞きしに行く。
ニックはトムに誘われ「灰の谷」へいく。灰の谷とはNYの中間点にある石炭捨て場で、”黄金の街”(NY)に電力を供給した燃殻を燃殻のような人々が処理していた。昔からある眼科医の看板だけがどっしりとそびえ立ち、その人々を「神の目」のように見ていた。灰の谷で自動車整備工場を営むジョージにトムは車を売ろうとしていた。しかし、ここに来た本当の目的はそこではない。ジョージの妻マートルがトムの浮気相手なのである。マートルをトムがマートルのために借りたアパートの一室へ先に電車で向かわせる。妹のキャサリンも呼んで、ニック、トム、マートルで朝までドンちゃん騒ぎをする。
ついにニックの隣人である謎の大富豪「ギャツビー」からパーティーの招待状が届く。NY中の色んな階層の人たちが週末ギャツビー邸に集まった。パーティーへ足を運んだニックだが、パーティーに来ている人たちにギャツビーを知るものはおらず、色んな噂が飛び交っていた。たまたまその日パーティーに来ていたデイジーと再開する。ギャツビーについて突き止めようとするが何もわからない。だが、パーティーの途中、ある時急にギャツビーが急に現れる。ギャツビーがベイカーと二人で話がしたいと言って連れていかれる。帰り際、「(ギャツビーの謎が)何もかもわかったわ、来週お茶しましょう」とだけニックに言い放って人気者のベイカーは男たちに連れられてどこかへ行ってしまいます。
その後ニックと隣人ギャツビーの関係は続いていきます。水上飛行機に乗せてもらったり、専用ビーチにも連れて行ってくれたり、ニックはギャツビーからかなり待遇を受けます。しかし彼について何も知らないと気づいた彼はギャツビーが何者なのか本人に尋ねます。「富豪の家に生まれ、家族と死別。オックスフォード大学出身で、家族の死後莫大な遺産でヨーロッパ各地で豪遊。宝石を買い、狩猟を楽しみ趣味で絵を描いていた。」と完璧すぎる経歴を説明されたニックは少し疑いを持ちますが、実業家のウルフシャイムと言う男を紹介されます。当時アメリカは禁酒法があったため地下に会員制のバーがあった。そこに案内され3人で食事をします。そこにたまたまトムが現れる。ギャツビーは少し落ち着かない様子。
約束していたデイジーとニックのお茶会。デイジーは真実を語り始めます。5年前実はギャツビーに出会っていた。基地の将校に一番人気だったデイジーはギャツビーに惚れ込んでいた。その後ギャツビーは戦争に行きデイジーは彼の帰りを待っていましたが彼は終戦後も戻らなかった。その1年後デイジーはトムと結婚。結婚式当日の朝ギャツビーから手紙が来たが時すでに遅し。ギャツビーが家の湾の向かいに住んでいるのは偶然すぎないかとニックは尋ねますがそれは全てデイジーがパーティーに現れるのを待つためだったとわかります。
人妻で親戚のデイジーを見知らぬ男ギャツビーを紹介するべきかと複雑なニックでしたがギャツビーのことを応援することを決めます。豪邸で会うのは目立つからと言う理由でニックの家を借り、これでもかと言うほどの花を用意しデイジーをもてなし二人は再開を果たし、打ち解け、豪邸を案内し、夢のような時間を過ごします。
ある日ニック、トム、デイジーでギャツビー邸のパーティーに参加します。ギャツビーはデイジーとは旧友だったとトムに伝え、デイジーをダンスに誘います。「どうせまた違う女の子のところに行くんでしょ」とトムに言い放ち、ギャツビーとデイジーはパーティー会場を後にします。デイジーのことが諦めきれないギャツビーは一緒に住もうと告げます。
”過去は取り戻すことができる”。一文無しの家に生まれたギャツビーだったが、デイジーが良家の娘だと知り、それに相応しい自分になるために富を築いたのでした。トムとデイジーの訪問後、毎週のように行われていたパーティーはなくなり、デイジーはお忍びで訪問。猛暑日のある日、ギャツビーはトムの家に招かれ、ニック、デイジー、ベイカーも集められたのだがここでは暑すぎるのでホテルのスイートルームに移動することになります。トムがお互いの車を交換していこうと提案し、ギャツビー・デイジーがトムの青い車、トム・ニック・ベイカーがギャツビーの黄色い車で向かうことになります。途中でガソリンを入れるためにジョージとマートルのところに寄ったトムだったが、そこでジョージ夫婦が引っ越すことを告げられ、妻も愛人も一気に消え去ろうとしていたトムは焦っていました。
無事スイートルームに到着。話し合いの続きが始まります。トムはギャツビーが経歴から何から嘘をついていると暴き、ギャツビーへの不満をぶつけます。ですがギャツビーも彼女はトムを愛したことは一度もなかったと反撃し、「あなた(トム)を愛したことはなかった」とデイジーにも言わせます。元からギャツビーの怪しさに気づいていたトムはギャツビーが違法ビジネスで大富豪になったことを暴きます。「お前(ギャツビー)とは生まれながらにして違うんだよ」と告げられたギャツビーは一気に荒れ狂います。彼が一番言われたくないセリフだったわけです。
帰り道、灰の谷で事故が起きていました。マートルが車に跳ねられたのです。黄色い車にひき逃げされたと荒れるジョージは、朝、黄色い車に乗っていたトムを疑いますが、行きは車を交換してたため私はあの車に乗っていたが帰りは青い車に乗っていました。黄色い車を運転していたのは謎の大富豪ギャツビーという男だとジョージに告げると、最近マートルの服や装飾品が高価なものになっていたので、金持ちと浮気していると勘付いていたジョージは、ギャツビーとマートルが浮気をし、都合が悪くなったギャツビーがマートルを殺したんだと考えます。
帰り道、ギャツビーがマートルを轢き逃げしたとわかったニックはギャツビーを問い詰めますが、その時はデイジーが運転していてマートルが飛び出てきて避けようがなかったと言い訳します。今夜のうちに逃げた方がいいとニックに言われますが、デイジーと一緒にこの街を出ようと約束したその電話が来るまでは出られないと言い切り、朝方までニックと思い出を語り合います。
プールで泳いで行かないかとギャツビーに誘われるニックでしたが、次の日仕事があるニックは帰ることにします。翌朝プールに入っている時、ギャツビーは何者かに射殺されてします。そこにいたのはマートルの夫、ジョージでした。
ギャツビーの死後、マートルとの不倫、轢き逃げ事件も全て彼の罪になり、トムとデイジーは娘とともに遠くへ旅に出て、物語は終了します。
ココに注目すればもっと映画が面白くなる!?
*アメリカン・ドリームという時代
この物語が書かれた1920年代はアメリカにとって特別な時代でした。第一次世界大戦後でヨーロッパに勝利したアメリカはメキメキと力をつけて行き、アメリカ中心の基盤を作り上げて行きました。煌びやかなパーティ、使っても使っても減らないお金。「Roaring Twenties(ローリング・トゥエンティーズ)・狂験の20年代」と呼ばれアメリカが一番輝いた時代でした。しかし、その中身のない楽しさに少しの不安を抱えていた人々もいました。その人たちが惹かれたのが、ギャツビーの純粋さです。アメリカンドリームに翻弄され、愛を貫いたために起こった悲劇。その対比に注目して見て欲しいです。
*デイジーへの深すぎる愛情
ニックは最初にギャツビーの輝かしすぎる経歴を聞かされ不信感さえ抱きますが、彼のことを聞き出していくにつれて、デイジーという女性への愛情の深さについて知って行きます。ニックを通してデイジーと再開できたギャツビーは必ず自分の元へ戻って来ると信じていますが不運が重なり最悪の最期を迎えます。そもそも無一文だったギャツビーは戦争から帰って来てデイジーを振り向かせるただそれだけの思いで巨額の富を築き上げます。その一途な想いをふみにじるかのようにパーティーに集まって来る人は金、酒、女、ゴシップにしか興味がないような人たちばかり。そんな欲まみれの人間の中でただ一人純粋さを貫くギャツビーに対して「Great(華麗なる)」という形容詞がつけられたのではないかと思います。
*眼科の看板「神の目」
灰の谷で異質にそびえ立つ眼科の看板は、映画を見ていた時は伏線か何かがあるのだろうと思っていましたが、特に最後まで見終えた後も関係した出来事があったわけではなく、、、煮え切らなかったのですが、後々この記事を書くためにもう一度見直した後、この目がこの時代の人の”虚無感”のようなもの全てを見抜いているのではないかと思いました。「デイジーへの深すぎる愛情」のところでも書きましたが、その当時のアメリカは金、酒、パーティーに溺れる言ってしまえば中身のない人たちばかり。かと言って灰の谷に住む苦しい生活をしている人たちもお金のある華やかな生活に憧れているし、結局中身のない人たちしかいない、そんな状況をその看板は全てお見通し、、、という例えだったのではないかと私は考えています。
実はあの有名人も!この物語の大ファン?!
*村上春樹
日本を代表する小説家の村上春樹さんは、数々のインタビューで「グレート・ギャツビー」の愛情を語るほどのファンで、本書(本のご購入はこちらから)の翻訳も手がけており、彼の小説「ノルウェイの森」にもその名が登場します。
”もし「これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な本を三冊あげろ」と言われたら、考えるまでもなく答えは決まっている。この『グレート・ギャツビー』と、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』と、レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』である。どれも僕の人生(読書家としての人生、作家としての人生)にとっては不可欠な小説だが、どうしても一冊だけにしろと言われたら、僕はやはり迷うことなく『グレート・ギャツビー』を選ぶ。もし『グレート・ギャツビー』という作品に巡り会わなかったら、僕はたぶん今とは違う小説を書いていたのではあるまいかという気がするほどである(あるいは何も書いていなかったか もしれない。そのへんは純粋な仮説の領域の話だから、もちろん正確なところはわからないわけだが)”(あとがき)
原作の「グレイト・ギャツビー」は日本ではいまいち有名ではありませんが、海外では非常に愛されている作品であり、冒頭にもあるように、1974年・2013年と2度も映画化されているくらい有名な小説です。
*オリエンタルラジオ:中田敦彦
実は私がこの映画を観るきっかけになったのは、今やYouTuberとして活躍しているオリエンタルラジオの中田敦彦・あっちゃんがYouTube大学でのこの映画の授業を視聴したことでした。この映画の原作が書かれた当時の時代背景・歴史などについてもわかりやすく解説してくれているので、これを観てから映画を観てみるとより理解が深まると思います。
【華麗なるギャツビー①】20世紀最高の小説〜狂騒の1920年代アメリカ〜
【華麗なるギャツビー②】戦勝国アメリカに生きた人々の狂騒と喪失
あっちゃん自身この映画の大ファンで、2016年にヒットした「PERFECT HUMAN」(RADIO FISH)のミュージックビデオはこの映画をオマージュして作られたんだとか(笑)確かにこの映画を観終わってからミュージックビデオを確認したところかなり綿密に再現されていました(笑)
【MV】PERFECT HUMAN / RADIO FISH
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