アヒルと鴨のコインロッカー 切ないあらすじと感想 タイトルに隠された意味とは…?

ヒューマンドラマ
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ざっくりあらすじ

人気作家・伊坂幸太郎の同名小説を、「ルート225」の中村義洋監督が映画化した青春ミステリー。大学入学のため仙台に引越してきた椎名は、隣人の河崎から奇妙な計画を持ちかけられる。同じアパートで暮らす引きこもりの留学生ドルジに広辞苑を贈るため、書店を襲撃しようというのだ。椎名は誘いを断りきれず本屋襲撃を手伝うハメになるが、この計画の裏には河崎とドルジ、そしてドルジの彼女で河崎の元恋人・琴美をめぐる切ない物語が隠されていた。

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大学生の恋や友情をボブ・ディランの名曲『風に吹かれて』に合わせてミステリアスに描いていきます。この作品、実は無料で観ることができます。

原作

原作は人気作家、伊坂幸太郎の同名小説。千葉県松戸市出身、東北大学法学部を卒業しており宮城県仙台市在住で活動する作家です。この小説は、2004年に第25回吉川英治文学新人賞を受賞しています。

主な作品
『重力ピエロ』(2003)
『グラスホッパー』(2004)
『ゴールデンスランバー』(2007)

作品を調べてみるとさすが人気作家、映像化されている作品が多数ありました。この作品も!?と思うものも多々あり筆者もびっくり。このサイトを見てくださっている方は映画が好きな方が多いと思いますが、ぜひ映像と共に小説も楽しんでみてくださいね。

主なキャスト(ネタバレあり)

この作品を彩るのは今になっては大物俳優の面々ばかり。そんな彼らの若手時代を垣間見ることができるのも魅力のひとつです。

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濱田 岳(はまだ がく)


1988年東京都生まれ。1998年『ひとりぼっちの君へ』でデビュー。2004年『金八先生』で注目をあびました。最近では、auのCMの金太郎でもおなじみですよね。
撮影当時、脚本を理解しないまま仙台でのロケが始まってしまって、本屋を襲うシーンでも監督に指示されるままにドアを蹴ったりしたのだそう。戸惑いながら本屋の裏であたふたするシーンは、本当に状況を飲み込めていないから出た演技だったんですね。でも、その自然体な演技がリアリティを生み、結果オーライというような感じだったのでしょうか。

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永山瑛太(ながやま えいた)


1986年東京都生まれ。2002年に『青い春』でデビュー。『ウォーターボーイズ』(2003)や『オレンジデイズ』で注目を浴び、映画から大河ドラマまで幅広く活動されています。2010年には歌手の木村カエラさんと結婚。2020年に、芸名を本名の『永山瑛太』に改名しました。
作中では河崎と名乗りながらも、実はブータン人だったという難しい役どころを演じています。最後の最後のどんでん返しの張本人です。

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関 めぐみ(せき めぐみ)

1985年神奈川県生まれ。2004年CMに初出演。2005年に『恋は五・七・五!』で初主演し、映画デビュー。『はちみつとクローバー』などをはじめ、映画やドラマなどさまざまな方面で活躍されています。
2009年には『DRAGONBALL EVOLUTION』でハリウッドデビュー。『アヒルと鴨のコインロッカー』は女優デビューしてすぐの作品だったんですね。

この3人のほかにも、大塚寧々さん、都市伝説でおなじみの関暁夫さん、そしてなんと今では大物の岡田将生さんまで!脇役まで意外と豪華なキャストにも注目です。

感想(ネタバレあり)

この作品の魅力といえば、独特なスピード感と後半の伏線回収だと感じました。そして、タイトルに込められた意味にも興味深さを感じました。

独特なスピード感

椎名(濱田岳)が引っ越してきて、ボブ・ディランの『風に吹かれて』を歌いながら荷ほどきをしているところに河崎(永山瑛太)が話しかけるところから物語はスタートします。仲良くなったばかりなのに一緒に本屋を誘おうと言い出したり、隣の隣のブータン人が恋人を失った話をしはじめたりと、途中までなんの話なのだろうと不思議な気持ちを持たせたまま話は進んでいきます。ミステリーの部類に入るであろうこの作品ですが、多くのミステリーにあるようなスピード感はあまりなく回想を交えながらゆるく進んでいくのです。

怒涛の伏線回収

この映画がミステリーに入ると言いましたが、その根拠としては後半のどんでん返しによるものです。河崎の隣の隣の部屋の話をしていて、椎名はそれが角部屋のブータン人の話をしていると思っていましたが、実は角部屋は山形出身の学生(田村圭生)。その話は河崎自身の話だったのです。河崎は、実はドルジというブータン人。琴美(関めぐみ)はドルジの恋人で、河崎(松田龍平)は琴美の元恋人でした。本屋を襲撃したのは恋人を殺した人物を拉致して復讐をするため。ペットショップの店長には気を付けろと言ったのも、琴美が働いていたペットショップの店長が真実を知っていたからでした。

琴美が亡くなり、河崎も亡くなり、1人ぼっちになったドルジの耳に聴こえてきたのが、椎名が口ずさむボブ・ディランの『風に吹かれて』でした。
1人で、さみしくて、不安で、そんなときに外から聴こえてきた『神様の歌』。あのときの笑顔は安堵が表せていたのでしょうか、気持ちを考えると胸が締め付けられます。

タイトルに込められた意味

物語の最後に、椎名は実家に戻ることを決意します。そして、『風に吹かれて』を流したラジカセをコインロッカーに閉じこめました。アヒルは外来種、つまりはドルジを意味しています。そして鴨が椎名。アヒルと鴨は『神様の歌』をコインロッカーに閉じ込めるのです。

余談ですが。冒頭の画像の映画ポスターにもある『神様、この話だけは見ないでほしい。』彼らは、神様をコインロッカーに閉じ込めました。この映画を見る前はなぜこのキャッチフレーズなのか、全くよくわかりませんでしたが見た後はこのフレーズを見ただけで切なくなってしまいます。

無料で観るには?

切ないながらも、最後のどんでん返しのおかげで何度も見たくなってしまうこの作品。1度目は椎名の目線で、2度目は河崎の目線で見てみたりすると、また見方が違うかもしれませんね。併せて小説も楽しんでみてくださいね。
無料で観るには…?

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