大ヒット映画『ジョーカー』について徹底考察!私的見解たっぷりで解説していきます!
※ネタバレ必須のため注意してください!
『ジョーカー』概要
2019年に公開され、大ヒット映画となった『ジョーカー』
バットマンの宿敵であるジョーカーの誕生を描いた作品です。
監督を『ハング・オーバー』のトッド・フィリップスが、主演を『her 世界でひとつの彼女』のホアキン・フェニックスがつとめています。
アカデミー賞では最多11部門でノミネートされたほか、アメコミ映画史上初めて、映画祭における最優秀賞を受賞し話題になりました。
『ジョーカー』の気になるあらすじや感想、ネタバレなどはこちらの記事で紹介しています。
『ジョーカー』の感想やあらすじ!注目ポイントは?ラストはどうなる?
アメコミ映画でありながら、社会派映画でもある今作は少し難しく感じた人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、知っていたらより楽しめる情報を踏まえつつ、私的見解たっぷりで解説していきたいと思います!
以下、ネタバレが含まれますので「まだ『ジョーカー』みていない!」という方は記事を読む前にぜひ作品をご覧ください!
ジョーカーを視聴するには?
※以下ネタバレが含まれます
ジョーカーって “ピエロ”?
ジョーカーといえば、トランプのジョーカーが思い付きますよね。トランプのジョーカーもピエロの格好をしていますが、実はただのピエロではなく王族に仕える道化師がモデルだと言われています。
joke(ジョーク)を言いまわりを楽しませる、この役割を担うのがjoker(道化師)です。また、その一方で王族や貴族などを批判することもありました。
当時は王様は絶対的存在。王様の批判なんて、フツーの人には到底できません。命知らずの「愚者」にしか道化師は務まらなかったのです。「愚者」であるからこそ共感されにくい部分はありましたが、感じたことを率直に王様に伝える事ができる、謂わば市民の代弁者でもあるように思われますね。
こう見ると、映画『ジョーカー』にも通じるところがあるように思いませんか?
ジョーカーが社会のあり方を批判し、ゴッサムシティの貧困層の支持を得たのも納得です。
今作に登場するジョーカーだけでなく、バットマンシリーズに登場するジョーカーというキャラクターは人が心の中に抱いていながらも表にだせない怒りや不満を代弁する愚者なのです。
またアーサーは、コメディアンを目指したり妄想癖があったりしますね。ジョークをいって周りを冷かしたり楽しませたりするという、jokerのもうひとつの役割を担っているのではないでしょうか。
アーサーはオジサン?
突然ですが、アーサーは何歳なのでしょうか。
はっきりとは言われていませんが、劇中にいくつかあるヒントから推測することができます!
まず、アーサーの母は昔ウェイン邸に仕えていたとされています。それが30年前のことです。そして、そのころにアーサーは養子として迎えられたとトーマス・ウェインが言っています。アーサーはそのころの記憶があまりないことから、かなり小さいころ(赤ちゃんだったかも?)の話ということになりますね。
だとすると、おそらくアーサーは30歳以上になります。
ここでバットマンシリーズのファンの方は違和感を感じるのではないでしょうか?
あれ?ブルース・ウェインとだいぶ年齢離れていない??
ブルース・ウェインとはトーマス・ウェインの息子で、後にバットマンとなる人物です。『ジョーカー』では、アーサーがウェイン邸を訪れたときにでてきますね。
ブルース・ウェイン役のダンテ・ペレイラ・オルソンが2010年生まれの10歳なので、劇中ではおそらく7~9歳の設定なのではないでしょうか。
ブルース・ウェインがバットマンとして登場するのはだいたい3~40代です。となると、ジョーカーは60歳以上…。さすがのジョーカーでも還暦を迎えて戦うことは難しいように筆者は思います。
ジョーカーは2人いる?
バットマンシリーズを見ていると、頻繁に登場するシーンがあるんです。
それは、ブルース・ウェインの両親の死。
ブルースは、両親と三人で演劇鑑賞に行った帰り、暗い路地で両親が射殺されてしまうのです。ブルースはそのことがきっかけで、バットマンとして街の治安をただしていくことになります。
実は、『ジョーカー』にもこのシーンが描かれているのです!
ジョーカーがテレビ番組でコメディアンを射殺し、ゴッサムシティの貧困層が暴徒と化した時、ジョーカーを模したピエロのお面をかぶった男性によってウェイン夫妻は射殺されてしまいます。
バットマンシリーズのなかには、ブルース・ウェインの両親を殺したのがジョーカーだったと描かれることがあります。
もしかしたら、ジョーカー(アーサー)に触発されウェイン夫妻を殺した人物が後にもう一人のジョーカーになったと考えることもできるかも…⁉
先程出したアーサーの年齢を考えてみても、バットマンと戦うことになるジョーカーは別だと考えることもできそうですね!
あの映画との共通点
今作ではアーサーの憧れであるコメディ番組の司会役としてロバート・デ・ニーロが出演しています。
アーサーは憧れの相手に理解されない苦しみから彼を殺しジョーカーになってしまいますが、コメディアンとロバート・デ・ニーロといえば、『キング・オブ・コメディ』が思い浮かびます。
主人公に 妄想癖があるところや、ナルシストなところ、一夜限りの大スターになるところなど『ジョーカー』と『キング・オブ・コメディ』には似ているところが多いです。
また『ジョーカー』のアーサーも、『キング・オブ・コメディ』でロバート・デ・ニーロが演じたルパート・パンプキンも、コメディ番組の司会者に憧れを抱いています。
このことからも『ジョーカー』は『キング・オブ・コメディ』をオマージュした作品とみていいでしょう。
『ジョーカー』はコメディ映画?
トッド・フィリップス監督は、『ハング・オーバー』や『デュー・デート』などコメディ映画で有名ですよね。
実は、『ジョーカー』はアーサーがコメディアンを目指していたことや『キング・オブ・コメディ』のオマージュであることをはじめ、「コメディ」というキーワードがちりばめられています。
コメディアンとして有名なチャップリンが劇中に登場していたのをご存じですか?ゴッサムシティの貧困層がデモを行っていた時、建物内では富裕層がチャップリンの映画を鑑賞していました。
チャップリンが作成していた映画からも見て取れるのですが、実はコメディは世の中の情勢を面白おかしく批判する役割がありました。まるで現代の宮廷道化師ですね‼
現代ではあまり考えられませんが、社会批判と道化師とコメディは切っても切り離せない関係があるのです。
監督は、アーサーの悲劇を喜劇として描いていたのではないでしょうか?悲劇と喜劇はまさに表裏一体なのですね。
そう思えば、劇中のいちばんラスト、アーサーと病院職員が『トムとジェリー』さながら追いかけっこをしていたことにも納得がいきませんか!?
みんながジョーカーになりうる?
誰しもジョーカーと同じように社会に対しての不満があり、心の中に怪物が潜んでいるのです。
その一方でジョーカーは、世間からの嘲笑や、「ふつう」の人からの扱いによってうまれたといっても過言ではないでしょう。
この作品は「みんながジョーカーのようになりうる」と同時に、「みんながジョーカーを作りうる」と訴えているのではないでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。『ジョーカー』の考察はネット上でたくさん行われていますが、正解は製作者にしかわかりません…。
今回紹介した考察は筆者のいち考えにしかすぎませんが、皆さんもこの記事を参考にぜひ考えてみてはいかがでしょうか!
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