アメコミ映画で初めて映画祭における最優秀賞を受賞した『ジョーカー』
気になる あらすじ や ラストシーンの意味、感想などをまとめました!
「ジョーカー」概要
『ジョーカー』は2019年に公開された、バットマンの宿敵ジョーカーの誕生に焦点をあてた作品です。
アメコミ界のライバルであるMARVEL(スパイダーマンなど)が『アベンジャーズシリーズ』でヒーローの集結を描くのに対し、DC(バットマンなど)は悪役を主役にした映画をつくっていくことになったそうです。確かにバットマンには、ジョーカーやハーレイ・クインをはじめとする魅力的なヴィラン(悪役)が登場しますよね!
『ハング・オーバー』で有名なトッド・フィリップス監督作で、主演を『her 世界でひとつの彼女』などのホアキン・フェニックスが務めました。ホアキン・フェニックスは役作りのストイックさでも有名です。今作でもなんと24キロの減量を行なったのだとか⁉︎
ホアキンはジョーカーを演じたことで、第92回アカデミー賞、第77回ゴールデングローブ賞の2つの賞で主演男優賞を獲得しています。
ところで、コメディ映画で有名なトッド・フィリップス監督が『ジョーカー』を撮っているって少し不思議じゃありませんか?実はこれこそ監督の狙いなのです。この話については、別の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください!
『ジョーカー』徹底考察!ラストは実はコメディ?他のバットマンシリーズとの繋がりは?
「ジョーカー」あらすじ
舞台は80年代のゴッサムシティ。「どんな時も笑顔で人々をたのしませなさい」という母の言葉に影響され、アーサーはピエロの仕事をしながらコメディアンをめざしています。
笑いだしてしまう発作を持ち、定期的にカウンセリングに通うアーサーはある日ひょんなことから大道芸の仕事をクビにされてしまいます。
その帰り道地下鉄で殺人事件を起こしてしまうアーサー。しかし、恐怖心とともに高揚感が彼を襲うのです。
この事件が貧困層から富裕層への復讐とみなされ、ゴッサムシティのひとびとは“殺人ピエロ”を支持し始めます。
アーサーは「悪のカリスマ・ジョーカー」へと変貌を遂げていくのでした…。
「ジョーカー」感想※ネタバレあり
バットマンのヴィランのなかでも群を抜いて人気なジョーカー!残虐だけれどもなぜか惹かれてしまうカリスマ性があるんですよね。筆者もジョーカーというキャラクターが大好きで公開されるまで予告を見まくっていました(笑)
ただ、バットマンファンから絶大な人気を誇る『ダークナイト』でヒース・レジャーが演じたジョーカーに負けないキャラクターなのか心配でもあったんです…。
しかし、そんな心配無用でした‼さすがホアキン・フェニックスですね、唯一無二のジョーカーを演じています‼怪演にゾクゾクしっぱなしでした。カリスマ性を備えつつ、その一方で儚さや脆さを備えたジョーカーはきっと今作でしか見られないでしょう。
また、アドリブの演技も満載なんです‼殺人を犯した後踊りだすシーンや、冷蔵庫に自ら入っていくシーン。あれらはホアキンのアドリブでした。ジョーカーが憑依してしまっているんじゃないかと鳥肌が立ってしまいます。
「ホアキン版ジョーカー」のためだけに見るとしても、十分に見る価値アリです‼
すごいのは演技だけなの…?いえ、そんなことありません。『ジョーカー』は内容もすごいんです。
今作の主人公アーサーは生活に困窮する貧困層です。一方アーサーといざこざがあるウェイン家は富裕層。ゴッサムシティは貧富の差が激しく描かれています。
アーサーが最初に起こした殺人事件は貧困層から富裕層への復讐と捉えられ、市民から支持されていくのです。アーサー=ジョーカーを筆頭に、ゴッサムシティの貧困層は暴徒と化していきます。
現在アメリカやイギリスをはじめ世界中で起こっている「貧富の格差」。日本も例外ではありません。『ジョーカー』はこの格差に対して問題提示をしているように感じました。
だからといって、殺人はよくありませんよね?しかし、今作の凄いところは主人公アーサーに感情移入してしまうところなのです。
貧困層で障害者という「圧倒的弱者」として描かれるアーサーがこれでもか、と災難に遭うことでつい応援したくなってしまいます。アーサーがジョーカーへと変貌を遂げ、人気も地位も夢も得ていく過程は皮肉にもワクワクしてしまいました。
『ジョーカー』はキャラクター、演技、ストーリーどれをとっても見応えたっぷりです。
「ジョーカー」ラストシーンの意味※ネタバレあり
ここからは、『ジョーカー』のラストシーンについて解説していきます。
生放送中に憧れのコメディアンを射殺したアーサーはこの瞬間から、アーサーではなくジョーカーへと変貌を遂げます。
その様子をテレビだ見ていた市民はジョーカーに先導されるように暴徒と化します。ゴッサムシティは一夜にして犯罪が蔓延る街になってしまったのです。
この瞬間をもってバットマンの舞台となる「ゴッサムシティ」が完成したと分かった時筆者は思わずニヤリとしてしまいました(笑)まさか、ジョーカーの誕生だけでなく「ゴッサムシティ」の誕生までみることができるとは思ってもいませんでした!
パトカーで護送されるジョーカーはピエロマスクの市民たちから救出されます。そして、パトカーのボンネットのうえに立ち自らの血で口を「スマイル」しているように描きなおすのです。「ある意味」でアーサーが人々を笑顔にした瞬間でもありました。
突然、病院の一室でアーサーが精神病のカウンセリングを行われているシーンに移ります。警察に捕まった後に精神病院にいれられたのでしょうか?
実はよく見てみると、緑色に染めたはずの髪の毛がもとの色になっていることが分かります。そして、アーサーは「おもしろい話を思いついた」と笑い出します。
そう、今までの話はアーサーの妄想だったのです。まさかの夢落ち‼ジョーカーのトレードマークともいえる緑色の髪がなくなっていることからも、彼がジョーカーとして見られていなかったことが分かります。(彼自身の中では立派なジョーカーなのかもしれませんが…)
一体どこまでが現実なのか、すべて妄想なのか、いやむしろすべて本当のことなのか…曖昧にされてしまっているように感じますね。まさに彼のジョーク(joke)にしてやられたという感じでしょうか。やはり彼は真の意味でジョーカー(joker)なのかもしれませんね。
まとめ
いかがだったでしょうか?何度みても新しい発見がある、そんな『ジョーカー』をぜひご覧ください‼
ジョーカーを視聴するには?
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